タンクのカビは「水気・栄養・温度」の条件がそろうとすぐ増えます。発生してから落とすのは手間とコストが大きいため、毎日の“乾燥ルーティン”でリスクをほぼ断てるようにしておきましょう。
なぜ乾燥が効くか / 発生速度の目安 / 発生後のデメリット / 乾燥ルーティン(毎日/週1/月1) / 乾燥手順 / やってはいけないこと / まとめ
なぜ乾燥が効くか
カビやバイオフィルムは水分が持続する環境で増えます。タンクやトレイを空にしても、内壁に残った薄い水膜があると増殖が続きます。毎回「すすぎ→水切り→陰干し」まで行うと、水分条件が断たれて増殖が止まりやすくなります。
発生速度の目安
- 24〜48時間:ぬめり(バイオフィルム)の始まり。
- 2〜3日:においの自覚。ふたやOリングに残りやすい。
- 1週間前後:黒い点状のカビが見え始めることがある。
※ 目安です。水質・室温・残水量で前後します。
発生後のデメリット
- におい残り:樹脂に移り香が定着しやすく、完全除去が難しくなります。
- 衛生面の低下:ぬめりは細菌やカビの温床です。気持ちよく使えません。
- コスト増:強い洗浄や長時間浸け置きが必要になり、Oリングやフィルター交換が発生しがちです。
乾燥ルーティン(毎日/週1/月1)
毎日(運転のたび)
- すすぎ:タンクとトレイを水で流し、内壁を手のひらでなで洗い。
- 水切り:各部品を口を下向きにして余水をしっかり落とす。
- 陰干し:ふたと本体を開放し、風通しの良い場所で自然乾燥。
週1(汚れリセット)
- クエン酸1〜3%(水1Lに10〜30g・30分)。スケールとにおいの原因を除去。
- すすぎ後は完全乾燥を意識して保管。
月1(完全乾燥デー)
- 運転をお休みし、24時間以上の完全乾燥。ふた・Oリング・タンクキャップも分けて乾燥。
- ひびや変形、におい残りを点検。必要ならOリング交換を検討。
乾燥手順
- 排水:電源を切り、タンクとトレイの水を捨てます。
- 分解:取り外せるパーツ(ふた・Oリング・トレイ・フロートなど)を外します。
- すすぎ:中性洗剤を薄めて軽く洗い、よくすすぎます(香り残りに注意)。
- 水切り:タンクは注ぎ口を下に、トレイは角度を付けて置きます。
- 陰干し:直射日光を避け、風通しの良い場所で乾燥。目安は一晩です。
- 乾燥サイン:内壁がマットに乾き、においがしない状態が合格ラインです。
やってはいけないこと
- 半乾きの密閉(ふたを閉じて保管)。
- 高温ドライヤー(変形・ひびの原因)。
- 塩素系とクエン酸を同日で併用(有害ガスの危険)。
- 強い香りの洗剤(におい移りの原因)。
まとめ
タンクのカビは“毎日の乾燥”だけで大幅に抑えられます。すすぎ→水切り→陰干しをセットにし、週1クエン酸と月1の完全乾燥で仕上げましょう。発生してから落とすより、日々の乾燥のほうが時短・低コスト・衛生的です。
関連:タンク&本体の掃除ルーティン / クエン酸洗浄(1〜3%・30分) / 超音波式:臭い・ぬめり対策 / オフシーズンの長期保管 / 混ぜるな危険(薬剤の組み合わせ)
よくある質問
毎回完全に乾かす必要はありますか?
目安は一晩の陰干しです。内壁がサラッとしてにおいが無ければ十分です。どうしても難しい日は、翌日に乾燥時間を少し長めに取ってください。
カビが見えてからでも間に合いますか?
中性洗剤で洗浄→クエン酸1〜3%でスケール除去→十分にすすぎ→完全乾燥で改善するケースはあります。ただし材質ににおいが残ることもあるため、発生前の乾燥が近道です。
塩素系で除菌しても良いですか?
メーカーが取扱説明書で許可している場合のみ、指定濃度・短時間で実施します。前後でクエン酸と同日併用はしません。十分な換気とすすぎが必須です。
乾燥中の置き方は?
タンクは注ぎ口を下、トレイは角度をつけて置きます。直射日光や高温は避け、風通しの良い場所で陰干ししてください。


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