結論:タンクにアロマ(精油・香料)を入れてはいけません。 アロマ対応機種のみ、アロマトレイ(専用パッド)に数滴が正しい使い方です。
加湿器とディフューザーの違い / 入れた場合に起こるトラブル / OKな機種と正しいやり方 / 入れてしまった時の復旧 / まとめ
加湿器とアロマディフューザーの違い
加湿器(超音波/気化/スチーム/ハイブリッド)
- 水専用設計:タンク・配管・センサー・フィルター・振動子は「水とミネラル」を前提に材質選定されています。
- 油に弱い部位:Oリング・パッキン・フィルター・浮き(フロート)・湿度/水位センサー・超音波振動子・ファン/吸気路。
アロマディフューザー(精油用)
- 油対応設計:油に触れる面の材質や排気の通り道が、精油の付着とメンテ前提で作られています。
- 分離思想:加湿目的ではないため、湿度制御・センサー類は最小限。香り拡散に最適化。
ポイント:見た目が似ていても「水専用」と「油対応」で設計思想が違います。だから加湿器のタンクにアロマはNGなんです。
アロマを入れた場合に起こるトラブル
- 部品劣化・変形:パッキンの膨潤・割れ、タンク曇りやひび、配管の軟化。
- 性能低下:フィルター目詰まり、振動子の油膜で霧化不良、湿度センサーの汚れで誤動作。
- 臭い戻り:油膜が残り、洗っても香りが取れにくい(他の部屋にも移り香)。
- 安全面の懸念:泡立ちや飛沫増加で水漏れ・結露リスク、スチーム式では飛び散り悪化の可能性。
- 保証対象外:取扱説明書の禁忌に該当し修理不可・有償になりやすい。
- 赤ちゃん・ペットへの配慮:香料に敏感な個体もいます。特に猫は精油成分に注意が必要です。
OKな機種と正しいやり方
アロマ「対応」加湿器のみ可
- タンクに混ぜない(水は水だけ)。
- アロマトレイ/アロマパッドに1〜2滴から開始。部屋の広さと体調を見て微調整。
- 換気と時間管理:連続長時間は避け、就寝直前や乳幼児・ペット在室時は控えめに。
- お手入れ:パッドは定期交換。トレイは中性洗剤で拭き取り、よくすすいで乾燥。
非対応機種の選択肢
- 別体のアロマディフューザーを併用(吸気口から離して設置)。
- 「アロマウォーター」類は、取扱説明書に使用可と明記された場合のみ。明記がなければ使用しません。
入れてしまった時の復旧
- 停止・排水・分解:プラグを抜き、水を全て捨てます。
- 油汚れ除去:タンク・トレイ・アロマが触れた部位を中性洗剤のぬるま湯で洗浄。強溶剤(アルコール・シンナー等)は使いません。
- 振動子は湿布清掃:中性洗剤を含ませた柔らかい布でやさしく拭取り、仕上げに水ですすぎ。固着したスケールは別日にクエン酸1〜3%・30分で除去。
- 消耗品の交換:気化式のフィルター、ゴムのOリングは油残りがあるなら交換が確実。
- 完全乾燥→試運転:各部をよくすすぎ、完全乾燥後に通水運転で臭いと動作を確認。
まとめ
加湿器は水専用、ディフューザーは油対応。設計思想が違うため、タンクにアロマは不可です。対応機種はアロマトレイに少量、非対応機種は別体ディフューザーで安全に楽しみましょう。
関連:混ぜるな危険(薬剤の組み合わせ) / 超音波式:臭い・ぬめり対策 / 赤ちゃん・ペットがいる部屋で加湿器を安全に使う方法
よくある質問
対応機種なら水に混ぜてもOKですか?
NGです。 対応機種でもタンクは水専用です。必ずアロマトレイ(パッド)を使ってください。
アロマウォーターは使えますか?
取扱説明書に使用可と明記されている場合のみ。明記がなければ使いません。成分によりフィルター劣化やセンサー汚れの原因になります。
スチーム式に入れるのは?
不可。 泡立ち・飛び散り・臭い残りが起きやすく、やけどや故障リスクが高まります。
赤ちゃんやペットがいる部屋での注意は?
濃度を抑え、短時間・換気前提で。体調や様子に変化があれば中止します。猫を含むペットは精油に敏感な場合があるため特に慎重に。


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