このページは、湿度が上がらないときの見直しポイントと必要加湿量の目安をまとめた記事です。置き場所・風・部屋条件を整えても上がらないなら、加湿量(ml/h)が足りていない可能性があります。まずは下の索引から気になる項目を確認してください。
原因と対策(当てはまる項目を選ぶ)
部屋の中心から離れすぎていないか(壁・隅・高すぎ/低すぎ)
壁際や部屋の隅に置くと、霧が壁に当たって戻り、部屋全体に広がりにくくなります。床直置きは沈み込み、背の高い棚の縁は天井に当たって滞留します。湿度が上がらないときは、まず置き場所を見直すと改善しやすいです。
対策
風が弱く霧が回っていないか(気流不足の見直し)
霧は風に「乗せる」と早く全体へ広がります。逆に風が弱いと、加湿器の近くに湿気が溜まり、部屋の反対側は乾いたままです。温風ヒーターやエアコンの風をうまく使うと均一化が進みます。
対策
- サーキュレーター:最弱〜弱で壁に当てて面で広げる(直風を人や加湿器に当てない)。
- エアコン:送風または弱暖房で天井付近に気流を作る。エアコン併用のコツ
- サーキュレーター併用のコツ
窓やドアの開けっぱなし・換気が強すぎないか(部屋条件)
ドアや窓の開けっぱなし、24時間換気の風量が強すぎる、すきま風が多いなど、湿った空気が外へ逃げやすい部屋では湿度が上がりにくくなります。冬の冷気が入ると空気が乾いて見かけの湿度も下がりやすくなります。
対策
- 加湿中はドアを閉める。窓の換気は短時間の一気換気にする。
- 北向き・窓が多い部屋はカーテンを閉め、窓際に置かない。
- 結露が心配なら、目標湿度を45〜50%に設定して様子を見る。
そもそもの加湿量が足りていないか(ml/hの見積もり)
機種の「加湿量(ml/h)」が部屋に対して小さいと、置き場所や風を整えても上がりません。おおまかな目安は下の表です。天井が高い/窓が多い/北向き/隙間風が強いなど条件が厳しい部屋は1ランク上を選んでください。詳しくは加湿量の目安(広さ・条件別)も参照。
必要加湿量の早見表(目安)
| 部屋の広さ(畳/㎡) | 一般的な条件 | 条件が厳しい部屋※ |
|---|---|---|
| 6畳(〜10㎡) | 300〜500 ml/h | 500〜700 ml/h |
| 8畳(〜13㎡) | 400〜700 ml/h | 700〜900 ml/h |
| 10〜12畳(〜20㎡) | 600〜1000 ml/h | 1000〜1400 ml/h |
| 14〜16畳(〜26㎡) | 900〜1400 ml/h | 1400〜1800 ml/h |
※天井高2.6m以上/窓が大きい・多い/北向き/出入りが多い/換気が強い、など。
フィルター詰まりや白い固まりで出力が落ちていないか
フィルターが目詰まりしている、受け皿や霧化板に白い固まりが付いていると、加湿量が大きく落ちます。白い固まりは「スケール」と呼ばれ、水道水のミネラル成分が乾いて固まったものです。
対策
- フィルターは毎日すすぎ、停止時は完全乾燥。月1回は長持ちメンテ完全ガイドに沿ってケア。
- 受け皿・霧化板のスケールはクエン酸1〜3%で落とす。
- 超音波式は出力を上げすぎると霧の粒が重くなり、床が濡れるのに湿度が上がらないことがあります(床が濡れる/水滴が飛ぶ)。
表示湿度のズレやセンサー位置の問題がないか
本体センサーが吹出口の近くや冷気の通り道にあると、実際の部屋より高め/低めに出ることがあります。ズレが大きいと自動運転が早めに止まり、湿度が上がりません。
対策
- 室内の別の場所に据え置きの湿度計を置いて比べる。
- ズレが大きい場合は設定を手動(連続の弱〜中)に切り替えて様子を見る。
- 必要に応じて湿度センサーのリセット・補正を実施。
まとめ(整える順番の目安)
- 置き場所の最適化(中央寄り・胸高・壁から30cm)。
- 気流の作成(壁当ての弱風/エアコンの送風)。
- 部屋条件の見直し(ドア閉め・短時間換気)。
- 加湿量の確認(足りなければ1ランク上の機種や2台運用)。
- フィルター・スケール清掃、センサーのズレ確認。
関連:置き場所の基本 / サーキュレーター併用のコツ / エアコン併用のコツ / 加湿量の目安(広さ・条件別) / フィルターを長持ちさせるメンテ / クエン酸洗浄
よくある質問
出力をMAXにすれば早く上がりますか?
部屋条件や気流が整っていないと、MAXでも近くが湿るだけで全体は上がりません。まず置き場所と風を整えてから、弱〜中で安定させるのが近道です。
超音波式で上がりません。強くすると床が濡れます。
霧の粒が大きくなると床に落ちやすく、湿度が上がらないのに濡れだけ増えます。出力を下げ、気流で広げるか、必要なら方式や容量の見直しを検討してください。
換気は止めたほうがいいですか?
常時換気は安全のため必要です。止めるのではなく、加湿中はドアを閉める・窓は短時間の一気換気にするなど、逃げ道を減らす方向で調整してください。
必要加湿量の計算が不安です。
迷ったらワンサイズ上を選ぶと失敗が減ります。詳しい表と選び方は「加湿量の目安(広さ・条件別)」をご覧ください。


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